ゼーガペイン 最終話

うわわ。
先週時点で決戦についてはほぼ終了なんだと勝手に思っていましたが、全然そんな事はなく。最終話にして、なんつー情報量ですか。しかも良いEDでしたねー、これ。


初めて生身の人間がゼーガを操縦するって事で、OS(?)もVer2.0.1にバージョンアップ。
完全に記憶の戻ったキョウがシズノに対して「あやまんなきゃいけないのはオレだ」と謝る理由は、前バージョンのキョウは前の月決戦での自爆後にセレブラントとして戦いに戻る気は無く(記憶をなくしてサルベージされるであろう近い将来の自分に対して「ミサキ・シズノに近づくな」等々、色々とセレブラントとしての再覚醒を妨害するための工作をしていた)、一人で現実から逃げる気だったから、という解釈で良いのかな。そう考えると、直後の「オレはもうつぶれねー!」のセリフで一層燃え上がれます。
「16歳の記憶が2つある」と言いつつも、基本は復活後の熱血バカな人格がベースみたいですしね。


先週でお亡くなりになったとばかり思っていた、アビス in マインディエも戦線復帰。
ただしシンの方は、精神(幻体)が舞浜サーバー内で瀕死の状態。それを看取るのはカミナギ・リョーコ。これは17話での両者の触れあいがあってこその展開ですけど、惜しいのは、2人の最後の会話が抽象的すぎて、分かるような分からんような微妙な内容だったって事かな。


衛星軌道で作戦失敗を悟って絶望するイゾラ艦隊の前に、敵の転送ポータルを利用して現れるアルティールは、光装甲展開の演出も相まってめちゃくちゃカッコイイのですが、肝心のジフェイタス爆破&脱出の過程は全面カット。折角、これまで空気だった、クリス&メイイェン活躍のラストチャンスだったのに。マインディエについては、シン消滅で動揺しているところを振り切ったって事ですかね。


ここに来てアルティールのウィザードがどうしてリョーコじゃなくてシズノなのか(もっと言うと、キョウだけでなくリョーコもリザレクションシステムで人間に戻って、ゼーガで一緒に帰還するという選択肢もあったはずなのに)謎に思っていましたが、シズノがクラウドのシステムにダイブするためだったのね。
ここでのキョウとの会話で、これまでずっと死に急いでいたシズノに生存フラグが立ったのも、良い流れだったと思いますし。
システムのセキュリティに阻まれてシズノ絶体絶命のところに、舞浜のセレブラント達が駆けつけるのも、最高の展開。欲を言えばここでルーシェンやメイウー、リョーコが出てこなかったのがちょっと不満ですけど。
シズノに黒い翼が生える演出は、『イェル(Yehl)』の語源が、”巨大な黒いワタリガラスの姿をしたトリンギット(アラスカ先住民)の神話の創造神”だからだと思われ。


アルティールVSマインディエ、ラストバトル。
パイロットが生身の体で素で殴り合ったり、左手だけバニッシュメントモード(自爆モード)起動してのロケットパンチ『舞浜シャイニングオーシャンパンチ』を繰り出してみたり、一歩間違うとギャグ戦闘なんですけど、ここまで積み上げてきたキョウの”熱血バカ、だけど本人は大まじめ”というキャラがあるからこそ、自然に見て燃えられるんですよね。要するにGガンと同じ原理だ。
ちょっと深読みしてみるに、あのロケットパンチは、ウィザード不在でホロニック兵器の転送がままならない状態での、文字通り”裏技”という意味だったんでしょう。
止めの光の翼での串刺しもナイスですが、結局アビスの最後は発狂(?)してマインディエに取り込まれて終わりという、シンと比べても不遇な最後でしたねえ。


エピローグの最初に出てきたソゴル家の団らん風景は、現実世界に復帰したキョウの見た夢って事でFA?
興味深いのは、EDのキャスト表によると、キョウの妹の名前が『ソゴル・未沙季』であるという事。つまりキョウがイェルに『ミサキ・シズノ』という名前を付けたときに語っていた『覚えてないけれど、自分にとって大切だったらしい人の名前』の1つは、自分の妹の名前だったって事で。じゃあ『シズノ』はどこから来たのかというと、やっぱり母親の名前って事なのか、それとも未沙季の言う『あこがれの先輩』の名前なのか。今後、設定資料みたいな物が世に出ればはっきり分かる事でしょうけど、こういう風にあれこれ妄想できる余地のある作品は観てて楽しいですね。


その他の後日談としては、激しいダメージを受けたはずの幻体達が軒並み再生&復活していたり、シズノは記憶を失いながらも人間化の目処が立っていたり(これはシマの置きみやげの成果か?)、リザレクションシステムの再製造が後2年くらいで完了できそうとか、ちょっと一足飛びでご都合主義発動し過ぎな気もしますが、ここまでの物語展開があまりにも希望の薄い内容だっただけに、こんなにも清々しいハッピーエンドになるとは本当に思ってもみませんでしたよ。


EDテロップ後のリョーコご懐妊(?)は流石にやりすぎとも思ったのですが、某所で

リョーコが身ごもっているのは、現実世界に生を受けたシズノなのでは?

という説を見て、なるほどなーと感嘆してみたり。


思わずDVD買っちゃいそうな勢いなのですが、個人的な予想とて、折角ハイビジョン制作されている作品なので、近い将来にBD化されるんじゃないかと睨んでいたり。